2016年9月15日木曜日

1986 カプリス

 
1986 カプリスセダン
 
内外装ボロイし雨漏れするけど、自走できるし雰囲気もあるので
 
ウチに来るお客さんには人気のあった車両でした。
 
実際問題、自走はできるものの路上復帰するには
 
もう少し手が掛かるので手付かずのまま在庫しておりました。
 
 
で、先日
 
神奈川芸術劇場様から舞台で実車を使いたいとの依頼を頂いたので
 
舞台の内容を考慮しこのカプリスをゴリ押し致しました。
 
他の業者にも声をかけたところ、否定的、消極的な業者ばかりの中、
 
ウチだけがノリノリだとおっしゃって頂きこのカプリスが舞台に上がることになりました。

 
演出家の理想の形にする為、約10日間の納期で仕上げていきました。
 
 

まずはルーフカット
 
オープンカーが条件だったのですが、キャデラックのコンバーは予算的にも無理なので
 
カプリス、切っちゃえばいいじゃんってことでこんな感じに。
 
実際舞台上ではエンジンはかけられないので
 
エンジン、ミッション、ガソリンタンク、油脂類を撤去しました。
 
ここまでがウチの仕事で、ここから先は俳優座劇場の鈴木氏へ引継ぎます。
 
 
舞台上を自由に動けるようにアングルを組んでキャスターの取り付けや、
 
役者がボンネット等に乗ってもいいようにボディ各所に補強を入れたり、
 
内外装の塗装、各部造作等を僅か3日で仕上げる神業です。
 
 
遠目ではエンジンが乗っているようにみえる鈴木氏のトリック!
 
 
タイトなスケジュールの中、無事にKAATに搬入することが出来ました。
 
 
このカプリスが登場する舞台は
 
マハゴニー市の興亡
 
9月22日までの公演です。
 
監督の白井晃氏は、今までになかった舞台の使い方、演出をこの舞台でしていると言います。
 
今までになかった事をやるのは大変ですが
 
そーいうのは大好きです。
 
捨てられ、鉄屑になる運命の解体車が
 
人の歓喜を受けれるようなことをこれからも続けて行きたいと思います。
 
 
 
 
'cudo
 
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